離婚を考えながらも、決断できない方がいます。
相手への不満がある一方で、離れることへの不安が強い。傷ついていると感じても、相手を支え続けてしまう。同じ問題を繰り返しているのに、関係を変えることができない。
そのような夫婦関係を説明する言葉として、「共依存」や「愛着の問題」という言葉が使われることがあります。
しかし、離婚協議で重要なのは、その言葉で自分や相手を判断することではありません。見るべきなのは、現在の関係の中で、離婚条件について話し合い、合意を作ることができる状態なのかという点です。
共依存とは何か
共依存とは、相手との関係の中で、自分の役割や価値を相手の問題解決や世話をすることによって感じやすくなり、その関係から離れることが難しくなる状態を説明する言葉です。
例えば、相手の問題を自分が解決し続ける、相手の機嫌や行動に自分の生活が左右される、自分の希望より相手の要求を優先し続ける、といった関係があります。
ただし、共依存は医学的な診断名ではありません。
離婚協議では、「共依存だから離婚できない」と考えるのではなく、その関係性が話し合いや条件決定にどのような影響を与えているかを見ることが重要です。
愛着の問題とは何か
愛着とは、人との信頼関係や距離の取り方に関わる心理的な仕組みを指します。
人との関係で強い不安を感じる、相手から拒絶されることへの恐れが強い、近づきたい気持ちと離れたい気持ちが揺れ動くなど、対人関係の特徴を説明する際に「愛着の問題」という言葉が使われることがあります。
ただし、夫婦関係における行動だけで、相手や自分を愛着障害と判断することはできません。
離婚協議で重要なのは、名前を付けることではありません。
現在の関係の中で、必要な条件を確認し、合意できる状態があるかを見ることです。
離婚協議で見るべきなのは感情ではなく合意形成の可能性
共依存や愛着の問題が関係している場合、離婚の話し合いでは次のような状態が起こることがあります。
・離婚したい気持ちと離れたくない気持ちが混在する
・相手の反応を恐れて条件を伝えられない
・相手の問題解決を優先して、自分の希望を後回しにする
・条件の話をしても、夫婦関係の感情的な議論に戻ってしまう
この場合、必要なのは感情を無理に消すことではありません。
離婚協議で決める事項と、夫婦関係の感情的な問題を分けることです。
前に進むためには構造を変える
離婚協議では、気持ちだけではなく、具体的な条件を決める必要があります。
確認する項目は、
・離婚することへの合意
・養育費や財産分与
・親子交流
・住宅ローンや生活費の扱い
・合意内容を書面に残せるか
です。
しかし、二人だけでは条件確認が進まない場合があります。
その場合は、方法を変更します。
直接話し合う。
書面で条件を確認する。
第三者を介する。
調停などの手続を利用する。
重要なのは、関係性の問題をすべて解決してから離婚協議を始めることではありません。
現在の状態で、合意形成が可能な方法を選ぶことです。
協議離婚で重要なのは関係の名前ではなく進め方
共依存や愛着の問題があるように感じても、それだけで離婚ができないわけではありません。
大切なのは、自分の意思で条件を確認できる状態があるか、相手と交渉という構造を作れるかという点です。
相手や自分を分類することが目的ではありません。
離婚という目的に向けて、必要な条件を決め、前に進める方法を選択できる状態を作ることが重要です。
