不貞の証拠は、手に入れても喜べない

不倫離婚の行政書士 木下です。不貞の証拠は、集める過程も、手に入れた後も、気持ちの良いものではありません。

まず、証拠集めには相応の出費がかかります。探偵費用、通信費、時には交通費まで、これまでの生活にはなかった出費です。この出費自体が、すでに気持ちを削っていきます。

次に、証拠が本物だったときのダメージがあります。疑っている段階と、事実だと確定した段階では、受ける衝撃の質が違います。写真や記録という形で目の前に突きつけられると、頭では分かっていたはずのことが、あらためて現実として体に入ってきます。

そして、その証拠を手元に置き続けること自体が、気持ちの良いものではありません。スマートフォンの中にも、引き出しの中にも、見たくないものが残り続けます。必要な間はしまっておくしかないのですが、それをしまっている感覚は、誰にとっても重いものです。

たしかに、証拠がそろったことで話し合いは前に進みます。ただし、それは実務の話です。慰謝料の交渉が進んでも、離婚条件が固まっても、人生そのものが前進した感覚にはつながらないことがあります。実務レベルでの前進と、人生レベルでの実感は、別のところにあります。

相談の中で、「修復しても地獄、離婚しても地獄」とおっしゃる方に、何度も出会ってきました。どちらに進んでも、簡単な道はありません。だからこそ、証拠をそろえることだけを目的にせず、その先で何を選ぶかを、一緒に整理していく必要があります。

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