夫婦だから口約束で十分と思われることがあります。しかし、お金や別居、離婚に関する約束は、後から「言った」「言わない」の争いになりやすいため、書面に残すことが重要です。
以前の民法には、夫婦の間で結んだ契約は婚姻中であれば取り消すことができるという「夫婦間契約取消権」の規定がありました。しかし、令和8年4月1日に施行された民法改正により、この規定は削除されています。
現在では、夫婦間で作成した契約書や合意書も、一般の契約と同様に法的な意味を持ちます。ただし、内容が曖昧であったり、公序良俗に反したり、身分関係を不当に制限するような内容であったりする場合は、その効力が問題になることがあります。
例えば、別居中の生活費の負担、財産の管理、金銭の貸し借り、離婚に向けた条件整理などは、後日のトラブルを防ぐためにも、内容を明確にした書面を作成しておくことが望ましいといえます。
夫婦だからこそ、約束を形に残す意味があります。相手を疑うためではなく、お互いの認識を一致させ、将来の争いを防ぐためです。書面は、夫婦関係を壊すものではなく、約束を守るための土台になります。
