「夫名義だから夫の財産です。」そう考えている方は少なくありません。しかし、離婚では名義だけで財産分与が決まるわけではありません。財産がどのように築かれたのかが重要になります。
民法762条では、結婚前から持っていた財産や、結婚後に自分の名で取得した財産は、その人の財産(特有財産)とされています。しかし、離婚の場面では、婚姻中に夫婦が協力して築いた財産は、名義にかかわらず財産分与の対象になることがあります。
例えば、夫名義の預貯金や自宅、退職金、生命保険、株式などでも、夫婦が協力して形成・維持した財産であれば、財産分与の対象になる可能性があります。一方で、結婚前から所有していた預貯金や相続・贈与で取得した財産は、原則として財産分与の対象にはなりません。
令和8年4月1日施行の民法改正では、財産分与を家庭裁判所へ請求できる期間が、離婚後2年から5年に延長されました。また、財産の取得や維持に対する夫婦の寄与について、異なることが明らかでない限り、相等しいものと推定されることになりました。
離婚で重要なのは、「誰の名義か」ではなく、「どの財産が財産分与の対象になるのか」を正確に整理することです。財産の全体像を確認しないまま離婚を進めると、本来受けられるはずの財産分与を受けられなくなることもあります。離婚を決める前に、まず財産を把握することが大切です。
