子供から親の不貞行為の相手に対して、慰謝料の請求をすることができるか。

結論として、不貞行為を理由として、子が不貞相手に慰謝料を請求することは、原則として認められません。最高裁昭和54年3月30日判決(裁判集民126号423頁)は、夫と交際していた女性に対する未成年の子からの慰謝料請求を認めませんでした。

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原則として請求できない理由

貞操義務は配偶者が配偶者に対して負うものであり、子に対して負う義務ではありません。そのため、親の不貞行為によって子が精神的苦痛を受けたとしても、それは子の権利・法律上保護される利益に対する違法な侵害とは評価されません。夫婦関係と親子関係は法律上別のものとして扱われ、不貞行為があっても親子の扶養義務や親子関係そのものは失われないという考え方が背景にあります。

例外的に請求が認められる場合

不貞相手の行為が、子自身の権利・法律上保護される利益を違法に侵害するものであった場合は、話が別です。子に対する監護や親子の交流を積極的に妨げる行為は、その代表例です。この場合は、不貞行為そのものではなく、子に対する個別の行為が不法行為を構成し、子からの慰謝料請求が認められる余地があります。ただし、最高裁昭和54年3月30日判決は、不貞行為そのものを理由とする子からの慰謝料請求については認めていません。

実務上の位置づけ

子からの直接請求は認められにくい一方で、夫婦に未成熟子がいるという事情は、配偶者が不貞相手に請求する慰謝料額を判断する事情の一つとして考慮されることがあります。実質的には、子の精神的苦痛は、配偶者本人の慰謝料額の算定を通じて扱われる場面があると考えます。

行政書士の役割

未成熟子の有無や監護状況は、慰謝料額を判断する材料の一つです。当事務所では、子の年齢や監護の実態といった事実関係を書類として整理し、弁護士への相談や交渉の場面で活用できる形に残すお手伝いをします。子から不貞相手への直接請求という法律構成そのものは、判例上の制約が大きいため、慰謝料請求は配偶者本人の請求として組み立てる方が現実的です。

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