
離婚は、一つのステージを終えることにすぎない
離婚によって夫婦関係に区切りがついても、人生の問題がすべて終わるわけではありません。
離婚問題という一つのステージをクリアしたという記録が残るだけで、その先にも解かなければならない問題は続きます。
子どもの進学。
就職。
不登校。
引きこもり。
親の介護。
相続。
自分自身の老後。
離婚を選ばなかった人にも、同じように別の問題が起こります。形や時期は異なっても、人生から問題が完全になくなることはありません。
そう考えると、離婚も夫婦関係の修復も、人生の最終地点ではありません。長い人生の中で起きた、一つの出来事です。
しかし、その渦中にいるときには、そう冷静に考えることができません。目の前の夫婦問題が、自分の人生のすべてを覆っているように感じるからです。
離婚後、最も大きくなるのは経済の問題
離婚後の生活で最も大きな問題になりやすいのは、経済です。
ひとり親を支援する制度はあります。しかし、制度だけで生活に必要なお金をすべて賄えるわけではありません。
毎月の生活費だけではありません。
子どもの学費。
塾や習い事の費用。
受験料。
進学費用。
通学費。
スマートフォンやパソコンの費用。
子どもが不登校になれば、働き方を変えなければならないこともあります。引きこもりや進学、就職の問題が生じれば、長期的な支援が必要になることもあります。
お金だけですべてを解決できるわけではありません。しかし、経済的な余裕があれば、選べる方法は増えます。
さらに親との距離が近ければ、介護や財産管理を担う立場になることがあります。その先には、相続の問題もあります。
離婚してすっきり終わるというより、離婚後の人生をどう維持するかという、新しい問題が始まります。
人は、納得できなかった出来事に閉じ込められる
つらい経験も、自分の中で受け止めることができれば、少しずつ過去になります。
学生時代の部活動で、毎日苦しい練習をしていたとしても、時間が経つと当時の苦しさを正確には思い出せなくなります。
つらかった事実は残っていても、現在の生活を支配するものではなくなります。
しかし、すべての出来事が自然に過去になるわけではありません。
納得できないまま終わったこと。
自分で選択しなかったこと。
相手の都合によって決められたこと。
理解できないまま形だけが決まったこと。
このような経験は、長く心に残ることがあります。
生活は先に進んでいても、気持ちは当時の場所に取り残されます。何度も同じ出来事を思い返し、別の選択ができなかったのかと考え続けます。
離婚したか、修復したかという結果だけが重要なのではありません。自分の状況を理解し、自分で選択したと納得できる形で終えることが、その後の人生に影響します。
漠然とした不安は、具体化すると問題に変わる
「離婚後の生活が不安です」
この状態では、不安が大きすぎて、何から考えればよいのか分かりません。
毎月の収入はいくらになるのか。
生活費はいくら必要なのか。
住居費はいくらかかるのか。
子どもの教育費はいくら必要なのか。
養育費はいくら見込めるのか。
財産分与によって何が残るのか。
一つずつ数字にすると、漠然とした不安は、具体的な問題に変わります。
月に5万円足りないのであれば、5万円をどう補うかを考えられます。働き方を変えるのか、住居費を見直すのか、養育費や財産分与を確認するのか、利用できる制度を調べるのか。
現実を見ることには痛みがあります。確認したくない数字や、考えたくない将来に向き合わなければならないからです。
しかし、問題が具体的になった瞬間に、解決の入口も同時に現れます。
今の夫婦問題を、人生のすべてと考える必要はありません。今取り組むべき一つの課題として具体化し、自分で選び、自分で区切りをつける。
それが、離婚や修復の結果に人生を閉じ込めないために必要なことです。
