この記事では、離婚すると決めた後、夫婦で条件を話し合うまでの進め方を説明します。読み終えた後は、8つのステップに沿って、条件案を作れます。
話し合いは、8つのステップで進めると全体が見えやすくなります。
離婚条件の状況を、どう整理しますか
まず、離婚することではなく、離婚条件の状況を確認します。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 離婚時期 | いつ頃の離婚を考えているか |
| 別居 | すでに別居しているか。これから別居するか |
| 子ども | 誰と暮らすか。学校や生活環境をどうするか |
| 住まい | 今の家に残るか、出るか、売却するか |
| 収入 | 離婚後、自分に毎月いくら入るか |
| 夫婦の財産 | 預金、不動産、保険、証券、車、退職金など何があるか |
| 住宅ローン | 残債、所有名義、ローン名義はどうなっているか |
| 不倫相手への対応 | 慰謝料請求や今後の接触をどう考えているか |
離婚後の生活費は、いくら必要ですか
離婚条件を決める前に、離婚後の毎月の生活を数字にします。
| 項目 | 確認すること |
|---|---|
| 住居費 | 家賃、住宅ローン、管理費、固定資産税など |
| 食費 | 毎月いくら必要か |
| 光熱費 | 電気、ガス、水道 |
| 通信費 | 携帯電話、インターネット |
| 保険料 | 生命保険、医療保険など |
| 子どもの費用 | 学校、習い事、日常的な教育関係費 |
| 医療費 | 通院、薬など |
| 車 | ローン、保険、駐車場、維持費 |
| その他 | 毎月発生する固定支出 |
養育費や財産分与の数字だけを先に決めても、離婚後の生活が回るとは限りません。
先に「毎月いくら必要なのか」を出します。
条件を、どう一覧にしますか
次に、夫へ何を求めるのかを一度すべて出します。
| 項目 | 決めること |
|---|---|
| 離婚時期 | いつ離婚するか |
| 婚姻費用 | 離婚までの生活費をどうするか |
| 養育費 | 月額、支払日、支払期間 |
| 進学・教育の特別費用 | 私立学校や大学等の費用をどう負担するか |
| 財産分与 | 何を、どのように分けるか |
| 慰謝料 | 夫への請求をどうするか |
| 年金分割 | 年金分割をどうするか |
| 住まい | 誰がどこに住むか |
| 住宅ローン | 離婚後の支払いをどうするか |
| 親子交流 | 頻度、日時、連絡方法など |
| その他 | 保険、車、家財など必要な条件 |
この段階では、夫が受け入れるかどうかを先に考えません。
まず、条件を出します。
守る条件と調整できる条件を、どう分けますか
すべての希望が、そのまま合意になるとは限りません。
だから、話し合う前に、考えを分けます。
| 分類 | 考えること |
|---|---|
| 守りたい条件 | 離婚後の生活上、できるだけ残したい条件 |
| 調整できる条件 | 他の条件との組み合わせで変更できる条件 |
| まだ決めない条件 | 資料や数字を確認してから判断する条件 |
例えば、家を残したいと思っていても、住宅費を数字にすると判断が変わることがあります。
慰謝料を優先したいと思っていても、養育費や財産分与まで並べると優先順位が変わることもあります。
先に「何を残したいのか」を整理します。
条件を決めるために、どんな資料を揃えますか
感覚だけで条件を作らず、確認できるものは資料で確認します。
| 資料 | 確認すること |
|---|---|
| 夫婦の収入資料 | 給与、賞与、所得など |
| 預貯金 | 残高、口座 |
| 証券 | 株式、投資信託など |
| 保険 | 解約返戻金など |
| 不動産 | 所有名義、評価、取得状況 |
| 住宅ローン | 残高、債務者、返済額 |
| 車 | 所有、ローン残高など |
| 退職金 | 見込額、勤務状況など |
| 子どもの資料 | 学校、進学予定、教育関係費 |
| 年金 | 年金分割を検討するための情報 |
| 不倫関係 | 慰謝料請求を検討する場合の事実や資料 |
資料を見る目的は、条件を、事実と数字で決めることです。
条件案を、どう作りますか
ここまで整理した内容を、一度「条件案」にします。
| 項目 | 決める内容 |
|---|---|
| 離婚時期 | 希望する時期 |
| 養育費 | 希望する月額、終期など |
| 財産分与 | 対象財産と分け方 |
| 慰謝料 | 請求の有無、金額、支払方法 |
| 住まい | 離婚後の居住方法 |
| 住宅ローン | 誰がどう支払うか |
| 親子交流 | 希望する方法 |
| その他 | 個別に必要な条件 |
相手の出方を待ってから、条件を考えるのではありません。
条件案を先に作ってから、夫と話します。
夫の回答との差を、どう整理しますか
夫から回答が出たら、そこで初めて比較します。
| 項目 | 条件案 | 夫の回答 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 養育費 | 条件 | 夫の回答 | 一致・不一致・要確認 |
| 財産分与 | 条件 | 夫の回答 | 一致・不一致・要確認 |
| 慰謝料 | 条件 | 夫の回答 | 一致・不一致・要確認 |
| 住まい | 条件 | 夫の回答 | 一致・不一致・要確認 |
| 住宅ローン | 条件 | 夫の回答 | 一致・不一致・要確認 |
| 親子交流 | 条件 | 夫の回答 | 一致・不一致・要確認 |
夫の条件を見て、ゼロから考え直すのではありません。
自分の案と、夫の回答の差を見ます。
そうすると、次に決めることが分かります。
合意した内容を、どう書面にしますか
話し合いが進むほど、口頭だけでは管理しにくくなります。
- 合意した条件。
- まだ合意していない条件。
- 途中で変更した条件。
これを分けて残します。
最終的に条件が決まったら、離婚協議書などの書面にします。
養育費など将来にわたる金銭の支払いがある場合は、内容に応じて公正証書にすることも検討します。
離婚条件の話し合いは、次の繰り返しにしません。
- 夫に離婚を伝える。
- 夫の条件を聞く。
- その場で返事をする。
先に、次の準備をします。
- 状況を整理する。
- 生活費を数字にする。
- 条件を一覧にする。
- 優先順位を決める。
- 資料を確認する。
- 条件案を作る。
ここまで準備してから夫と話します。
離婚条件を決める順番
離婚条件を決める順番は、次のとおりです。
- 1.状況を整理する
- 2.離婚後の生活費を確認する
- 3.条件を一覧にする
- 4.守る条件と調整できる条件を分ける
- 5.必要な資料を揃える
- 6.条件案を作る
- 7.夫の回答との差を整理する
- 8.合意した内容を書面にする
離婚を決めた後、すぐ夫の条件を聞きにいく必要はありません。
先に条件案を作ります。
その条件案と夫の回答を比べます。
必要なところだけ考え直します。
相手の出方を見て条件を決めるのではなく、条件案を持って話し合いを始めます。
次にやること
この記事のあとは、次の順で進めます。
- 離婚を決めた後の整理表を読み、整理する項目を確認する。
- 公正証書を作る前に整理することを読み、夫婦で決める内容を整理する。
- 協議離婚書の書き方を読み、離婚協議書の書き方を確認する。
ここまでの内容で、ご自身で進められそうでしたら、このまま次の手順に進んでください。作成が難しい場合や、作った書類に不安が残る場合は、書類の作成・チェックを承ります。主な条件は合意していて、一部のすり合わせが必要な場合は、1か月サポートから始めます。
