元に戻ることを願いながら待つだけでは、状況は変わりません。

夫の不倫が分かり、離婚を切り出されても、これまでと同じ生活を続けようとすることがあります。朝食を作り、洗濯をし、夫の帰宅時間を気にし、子どもの前では何もなかったように振る舞います。夫婦としての日常が続いている限り、まだ離婚は決まっていないと思えるからです。

本当は、普通に生活したいのではありません。これまでの生活を崩した瞬間に、夫婦関係が終わりに向かっていることを認めなければならなくなる。それが怖いため、日常を守ることで現実を止めようとしています。

夫に優しくすれば、家庭の良さを思い出してくれるかもしれない。責めずに待てば、不倫相手への気持ちが冷めるかもしれない。妻としての役割を続ければ、最後には家族を選んでくれるかもしれない。その期待があるため、傷つけられた側が、さらに家庭を支え続けることになります。

しかし、妻が普通の生活を守ることと、夫が夫婦関係の修復に動くことは別です。夫が食事をし、家に帰り、家族と会話をしていても、それだけで離婚の意思が弱まったとは判断できません。家庭での生活を維持したまま、不倫相手との関係や離婚後の生活を考えていることもあります。

むしろ、妻が何も言わず、これまでどおり家庭を維持すると、夫は自分の生活を大きく変えずに離婚の準備を進められます。家事も生活も保たれ、強く反対されることもない。その状態を、夫婦関係が戻りつつある証拠と見るのは妻だけで、夫にとっては離婚までの猶予期間になっていることがあります。

ここで見るべきなのは、夫が家にいるかどうかではありません。修復に必要な行動を取っているかどうかです。不倫相手との関係を終わらせたのか、離婚を撤回したのか、夫婦の問題に向き合う意思を示しているのか。【言葉ではなく、実際の行動を見る】必要があります。

普通に生活することが間違いなのではありません。子どもの生活、自分の仕事、家計を守るために、日常を維持することは必要です。ただし、日常が続いていることを、夫婦関係が元に戻る根拠にしてはいけません。

今すぐ離婚か修復かを決める必要はありません。しかし、元に戻ることを願いながら待つだけでは、状況は変わりません。まずは修復できる状態にあるのかを見極め、可能性があるなら修復に向けて動く。難しいと分かった場合は、自分の生活を守るための準備に切り替えます。

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