先に結論をお伝えすると、共有財産を把握する目的は、離婚後の生活を安定させるためです。
離婚では、婚姻中に夫婦で築いた財産を財産分与の対象として話し合います。しかし、別居すると相手の財産状況を確認できる機会は大きく減ります。
そのため、離婚を考え始めた段階で現状を把握し、必要な資料を整理しておくことが重要です。今しか確認できない情報もあるため、準備は早いほど選択肢を残しやすくなります。
財産分与の対象になる主な財産
まずは、夫婦で保有している財産を一覧にしてみましょう。
- 預貯金
- 自宅や土地などの不動産
- 自動車
- 株式や投資信託などの金融資産
- 生命保険や学資保険の解約返戻金
- 退職金(将来支給されるものを含め対象となる場合があります)
- 住宅ローンなどの借入金
名義だけで判断せず、婚姻中に形成された財産かどうかという視点で確認することが重要です。
資料はできるだけ早く確認する
財産を把握するためには、客観的な資料を確認します。
例えば、次のような書類が役立ちます。
- 通帳や預金残高が分かる資料
- 給与明細や源泉徴収票
- 不動産の登記事項証明書や固定資産税の資料
- 保険証券や解約返戻金の案内
- 証券会社の取引残高報告書
- 住宅ローンや自動車ローンの残高証明書
資料はコピーや写真で保存しておくと、後から確認しやすくなります。
見落としやすい財産にも注意する
預貯金や不動産だけではなく、見落とされやすい財産もあります。
例えば、勤務先の退職金制度、企業型確定拠出年金、個人年金保険、積立型保険、株式報酬などは、状況によって財産分与との関係を検討する必要があります。
また、解約返戻金がある保険や投資口座なども忘れずに確認しましょう。
財産だけでなく負債も確認する
財産分与では、資産だけではなく借入金も確認する必要があります。
住宅ローン、自動車ローン、カードローンなどについて、契約者、残高、返済状況を整理しておくと、離婚後の負担について話し合いやすくなります。
無理な調査は避ける
財産を確認したいからといって、違法な方法で情報を取得してはいけません。
ロックされたスマートフォンやパソコンへ無断でアクセスしたり、他人名義のオンライン口座へ不正にログインしたりすると、別の法的問題が生じる可能性があります。
財産分与は「準備」で差が出ます
財産分与は、感情ではなく事実を基に話し合う手続きです。
そのため、「どのような財産があるのか」「どの資料で確認できるのか」を事前に整理しておくことが、話し合いを円滑に進める第一歩になります。準備ができていれば、離婚する場合だけでなく、修復を選択した場合でも、夫婦の家計や資産を見直すきっかけになります。
